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■まほーつかいちゃん■ |
=おはなし= ミルちゃんはおにいちゃんのすすめにより、旅をしていました。 その旅路のおはなしです。 ミルちゃんは森の中の道を、るんるん気分で歩いていました。 その時です、茂みからガサガサと音をたてて、 変な二人組のおぢちゃんが現れました。 おぢちゃんの片方がミルちゃんの顔をニヤニヤしながら見て言いました。
「よお、ねーちゃん。一人かい?」 ミルちゃんは、こんなところでナンパかしら?と思いました。 おぢちゃんは趣味ではないのですが、正面を塞がれてしまっているので、 ミルちゃんは仕方なく質問に答えます。 「はい、そうですが(^^)なんでしょうか?(^^)」 そうミルちゃんが答えると、もう片方のおぢちゃんもニヤリとした表情で、 「ふふふっ、そうかい。 それじゃ、怪我をしたくなければなにか金目のモノをよこしな。」
と言い、ナイフをチラつかせました。
ミルちゃんは、新手のナンパ法かしら?と思いました。 でも、油ギトギトの顔のおぢちゃんたちとデートする気持ちはありません。
「え〜と、私ほとんど手ぶらなんで、金目のモノは持ってないです(^^) ということなんで、ゴメンなさいm(_
_)mペコリ」 ミルちゃんは、誘いを断るつもりでそう言いました。 そうすると、おぢちゃん達は暑苦しい顔の眉間にしわをよせ、 さらに言い寄ってきます。 「なにぃ!? そんな格好しているねーちゃんが、 なにも持ってない訳ねーだろう。さぁ、とっとと出しなぁ!」
こちらが、丁重にお断りしているのにどうも折れてくれないようです。 だからといって、 「私、おぢちゃんは趣味じゃないの!」 とは言えません。 ミルちゃんはやさしい性格なのです。 実はミルのおにいちゃんはこんな事態を予測して、 状況に応じた対処方法をミルちゃんに教えていました。 おにいちゃんいわく、 「これはどうしても断りきれない事があった時なんかに使え」 という事です。
「ブツブツブツ...。」
ミルちゃんは呪文を唱え始めました。 そんな最中、おぢちゃんたちはしつこく言い寄ってきます。
「なにをブツブツ言ってるんだ、さあ....、て.....、 なっ、なんだ、それっ!!!」 ヴォーンと低い音をたてて、ミルちゃんの目の前に ドス黒い球体が現れました。 おぢちゃんたちの表情はおっかない表情から、 驚愕の表情へと変わっていきました。 ただでさえ脂ぎっている顔に、玉のような汗がにじみ出ています。 いや〜んな感じです。 そこで、ミルちゃんはおにいちゃんに教わったように、 魔法の説明を始めます。 「えーとね、これは隔離した空間に虚空間を呼び出して その空間の反物質を凝縮させるの。 そのあと、虚空間との回路を閉ざして、 反物質のみを隔離空間に残すの。 あとは、任意の点に放てば、 隔離空間が解放され反物質がこの空間の物質と反応、 対消滅を起こして膨大なエネルギーが発生するの(^^) この前、島を一つ消しちゃった(^^;てへっ(*^^*)」 おぢちゃんたちは顎がはずれたような表情をしています。
「お、おねえちゃん、この森は凶暴な動物とかがいるから気を付けてね(^^; それでは、良い旅路をm(_
_)m」 そういうとペコリとおじぎをして猛ダッシュで走り去っていきました。
「ふぅ、よかった(^^)ごめんねおぢちゃんたち(^^) おにいちゃんの言うとおりにするとなんでも解決ネ!」
ミルちゃんは、これを脅しだとは自覚していません。 あくまで、物事を断るための対処法とぐらいにしか考えてないのです。 ちなみに、ただで御飯を食べさせてもらおうと思った時も 同じ様な方法を使います。 おにいちゃんいわく、 「これは相手に対して誠意を見せる行為だ。」 だそうです。 「それじゃこれはポイッと!」 安心したミルちゃんは目の前を漂う球体を遠く目がけて放ちました。
ゴゥーーーーっ!!!!
すさましい轟音と、地響き、衝撃波が広範囲に伝わります。 でも、ミルちゃんは魔法障壁に守られているので安心です。
どうやら遠くにあった山が青い半球体に包まれて消えてしまったようです。
「わぁ〜、いつ見ても綺麗ネ(*^^*) んっ、なんだかお腹減ってきちゃった(*^^*)次の町に急ぎましょ\(^o^)/」
ミルちゃんの旅路は続きます。 =おわり= |